母に、

「『鳥』って映画観たよー」

と言ったら、3~4回くらい観たことがあるらしく、珍しく映画の話ができた。

母「知ってる!あれでしょ、ヒッチ……ヒッチハイクの!」

 

 

 

というわけで、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『鳥』(1963)を観ました。

 

動物パニックモノです。

鳥に襲われます。

 

今回はあらすじなんかなくても、これだけで大体わかるよね?

 

では、感想。

 

 

 

【以下、ネタバレ含むため、要注意】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鳥に襲われる」というのは、特定の1羽ではなく、野生の大勢の鳥たちです。

カモメとかスズメとかカラスが突然凶暴になって、集団で襲ってきます。

鳥さんたちが本気を出せば、窓ガラスも割っちゃうし薄いドアなんかもぶち壊します。

鳥さんすげえ。

だから、おうちに避難していても、安心はできないのです。

大量の鳥たちが家の周りを埋め尽くす光景は圧巻です。

あんなにたくさんの鳥、よく集めたなあ。

まだCG技術もそんなに……な時だと思うから、きっと本物を用意したんだろうな。
(遠くの方の鳥さんは偽物でもいけるか)

鳥を掴んだりしているシーンは作り物っぽかったけど。

 

この映画の最大の魅力は「結局なんで鳥たちは人間を襲うようになったのか」が謎に包まれたまま映画が終わるところだと思います。

色んな人たちが、

「病気かしら?」

「俺は神の怒りだと思うぜ」

「てめえ(主人公)がこの町に来たからじゃ!悪魔め!」

など、口々に持論を言い合うシーンがありますが、鳥たちの襲撃に遭い、それどころじゃなくなります。

原因なんかよりも、身の安全の確保が第一。

わからずじまいで気持ち悪い終わり方だけれど、専門知識のない一般市民たちの物語ですので、一番自然な結果だったのではないかと思います。

 

ところで作中に「鳥さんのことは詳しいんですのよ」ってのたまうオバハンが出てきて、

「鳥さんはねえ、人間を襲ったりしないんだから!」

って言っていたけれど。

 

いやいやいや!鳥さん普通に襲いかかってくるよ。

特にカラスさん。

うちの近所でも、爆撃被害があったみたいだし、夕方のニュースとかでも「つつく」とか「ドリルくちばし」の被害にあっている方をよく見るし、どこかの暗黒武術大会では見えない爆弾を飛ばしてくる。

「鳥さんたち、普通に襲いかかってくるよねえ。あのオバハンは平和な世界の住人なのか?」

母「でもねえ。昔の鳥は、今の鳥ほど襲っては来なかったと思う」

「まじでか!?……鳥さんたちの住むところとかなくなってきちゃったからなあ(´・ω・`)」

そうか。そんな時代の作品なら、オバハンのピースフル発言も仕方がない。

 

ナマモノパニック系な作品って、襲いかかるナマモノに反撃して惨殺するようなシーンが多いけど、この映画では、そういう暴力シーンがなかったから、動物好きさんも安心して見られると思います。

(追い払おうとして何匹か殺っちゃったシーンはあったけど)

 

あと、ホラー映画には珍しくエロシーンがなかったので、家族の団らんの場でも安心してご覧いただけます。

 

 

 


鳥のきもち~鳥と本音で通じあえる本~