実在するアメリカの超常現象研究家、エドワード・ウォーレンロレーヌリタ・ウォーレン(ウォーレン夫妻)の体験を元に作られたホラー映画

本作で扱われている「ペロン一家事件」は、これまで調査してきた中で、最も邪悪で恐ろしい事例とのことです。

 

 

 

 

【あらすじ】

1968年。

看護師の若い女性2人と付添いの男性1人が、ウォーレン夫妻心霊相談をしている場面から始まる。

 

「この人形には『アナベル』という7歳の女の子の霊が憑依しているんです。

女の子の霊が可哀想になって、人形に憑り付く許可を与えたんです。

そうしたら――

 

アナベルによる悪戯が酷くなっていったという。

いつの間にか動いていることから始まり、家中に気味の悪いいたずら書きをしたりと、いくらなんでもやりすぎだ。

そんなことまで許可した覚えはない。

人形を捨てても帰ってきちゃうし、恐いし、どうしたらいいの?

 

ウォーレン「そこにいるのはアナベルなんて女の子の霊じゃない――悪魔よ!」

若者「まじでか」

 

これがアナベル事件である。

 

その後、何やかんやで解決して、相談に来ていた若者たちは平和に暮らしているそうな。

 

ウォーレン夫妻は記念に……じゃなくて、「またよからぬモノが悪戯しないように保管のため、アナベル人形を自宅へ持ち帰った。

夫妻は自分たちが関わった心霊案件のキーアイテムを度々(毎回?)持ち帰り、保管しているらしい。

夫妻曰く「物に閉じ込めた状態で然るべき方法で保管しておいた方がよいということもある」とのこと。

 

アナベル事件から3年後の1971年、ロードアイランド州。

緑豊かな土地にたたずむ大屋敷に、ペロン一家(夫婦+5人姉妹+ワンコ)が引っ越してきた。

念願のマイホームを手に入れ大喜びのペロンさんだったが、引っ越しした翌日から不可解な出来事が立て続けに起こっていく。

  • 引っ越しの翌朝、愛犬が死亡
  • 奥さんの身体に謎の痣ができる
  • 家中の時計が全て夜中の3時7分で止まってしまう
  • 庭でオルゴールを拾った娘に、ローリーという見えない友達ができる
  • 治ったと思っていた娘の夢遊病再発
  • 部屋が獣臭い

気味が悪いなと思いつつも、そこまで大ごとではないので、様子をうかがっていたペロン夫妻だが、娘が霊の姿を目撃したり、奥さんが夜中に地下室へ閉じ込められて恐いことをされたりしたもんだから、いよいよガチでヤバいと気付き、ウォーレン夫妻に助けを求める。

 

ウォーレン夫妻の調査の結果、過去にこの家で何人も死人が出ていることが明かになり、特に事の発端と思われる事件がスゴかった。

最初にこの家に住んでいたのは農家の夫婦で、奥様は魔女だった。

さらに彼女は、「セイラムの魔女裁判にかけられていたメアリ・イースティの親戚」だそうな。

※感想の方に記載しますが、本作でのメアリ・イースティの取り扱いについては、私は疑問です。

魔女(奥様)は、生後数日しか経っていない自分の子どもを悪魔への生け贄として捧げようとしたところを夫に見つかり、

 

 

「この土地を奪うヤツは呪ってやるー!!

 

との言葉を残して屋敷の前の巨木で首吊り自殺をする。

犯行を目撃されてからの魔女(奥様)の行動は奇天烈すぎるが、めでたく(?)奥様は魔女奥様は悪霊へとクラスチェンジに成功した。

以降、奥様は悪霊は、この土地(屋敷)に根をはろうとする者たちを、ことごとく呪い殺していったのだろう……というウォーレン夫妻の見解である。(←今ここ)

 

こんなヤベェ相手から、ペロン一家は逃れることができるのか?

ウォーレン夫妻と悪霊との戦いが始まる……!

 

 

 

【感想 以下ネタバレ要注意】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • アナベル人形の出番が予想以上に少な過ぎてビックリした
  • オカルトミュージアムに行きたくなった
  • 作中のコレクション管理が、もう少し何とかならなかったのか
  • 目隠しかくれんぼって本格的で楽しそう!
  • 調査方法が機材をたくさん使っていて「調査」感が出ていて良かった
  • ウォーレン夫妻による「悪霊が悪さをする3段階」が興味深かった
  • エンドロールに実際の写真や新聞記事が使われていて面白かった

 

ジャケ画にも載っているし、アナベル人形の印象が強すぎて、本作でのアナベル人形の出番が予想以上に少な過ぎてビックリしました。

本作製作の時点で、次回作のフラグというか予告をしている感を強く感じました。

たまたま同日に次回作の『アナベル死霊館の人形』を見たから別に良いけど。

リアルタイムで見ていたら「今回の事件に直接関係は無さそうだけど、あの人形は何だったん?」って疑問が残りそうです。

 

 

実際のアナベル人形は、あのような見るからにおっかない見た目ではなく、普通に可愛らしいカントリードール風のお人形。(正式にはラガディアン人形)

ウォーレン夫妻が管理しているオカルトミュージアム展示されているとのこと。

……超行きたい……!

パスポートは、あと1年くらい期限が残っていたはずだ!

……と、たった1回しか使ったことのないパスポートを探そうとして、冷静に考えました。

オカルトミュージアムに展示されているものは、封印されているとしても呪い悪意ぎゅぎゅっとつまった代物です。

 

私が行ったら、絶対に殺られるわ。

 

根拠はありませんが確信はありました。

だから残念ですが、未来永劫そんな愉快な場所へ行くことはないと思います。

決して、自身の英語力が追い付いていないから、何か含みがあるような言い方をしてみた訳ではないです。

 

 

作中では、アナベル人形を含めた呪いのアイテムはウォーレン夫妻の自宅の一室に保管されていました。

普通の家の、普通のお部屋に、普通の鍵が1つかけられて。

同じ屋根の下には夫妻の愛娘が住んでいます

夫妻は心霊調査のため、家を空けることが多いみたいです。

……大丈夫なんか?

「ケースから出すな」とか「絶対に触るな」とか言っている超危険物を、よく愛娘とお留守番させていられるなぁと驚きました。

 

 

あと、かくれんぼが本格的で楽しそうだった。

(鬼が目隠しをして、隠れた子が手を叩いて場所を教える。鬼は手を叩く回数内に見付けないといけない)

引っ越ししたばかりのおうちで、目隠しかくれんぼなんてよくできるなぁと思った。

そして、お母さんと娘の2人で行った時のかくれんぼ中のアレ一番怖かった

地下室かくれんぼのパンパンも怖かったけど、全く警戒していない状況でのじわじわは、身近な感じがしていいね。

 

 

私のオカルトへの考え方は、小野不由美先生&いなだ詩穂先生『ゴーストハント』の影響をめちゃくちゃ受けているので、ベースを作って各部屋をカメラで監視したり、サーモグラフィ等の機材を使用しているウォーレン夫妻の調査方法は良いなと思った。

これぞ調査である。

テレビとかに出演している霊能力者さんも、言動生き様全てを駆使して我々平民たちに笑いを与えてくれるので、面白いから好きです。

数珠(というか、パワーストーン色が強い)をじゃらじゃら装備されている霊能力者さんとか、もう本当に最高です。おなかイッパイになれます。

霊能力者さんって、難しくて綺麗な芸名をつけている方が多いですが、どうしてなんでしょうね?

何故か中学時代を思い出します。

 

 

ウォーレン夫妻による心霊講義のシーンで語っていた「悪魔が悪さをする3段階」が興味深かった。

①出没

音を立てたり物を動かして存在を知らせる。

②攻撃

精神的に弱い人を探して攻撃する。

③憑依

弱らせた対象の身体を乗っ取る。

 

人間にしろ悪魔にしろ、仕事を進めるには順序が大事なんだなと、勉強になりました。

 

 

 

 

 

最後にーー

 

あらすじの方で少し触れた「セイラムの魔女裁判」「メアリ・イースティ」について。

本当に余談で、どうでもいいことだと思うので、以降は飛ばしていただいて構いません。

 

 

 

 

 

作中、あの家に住んでいた魔女についての調査結果で「セイラムの魔女裁判にかけられていたメアリ・イースティの親戚」だという紹介がありました。

頭を空っぽにして見ていた私は、

「ほーん、魔女っ気のある血筋ですか。恐ろしい一族だ」

と、馬鹿丸だしの感想を抱きました。

しかし、よくよく考えてみると全然違いますよね。

だって魔女裁判ですよ。

魔女裁判の被告人つったら冤罪がほとんどじゃない?

 

セイラムの魔女裁判という言葉もどこかで聞いたことがあるぞと調べてみたら、以前、

「ヤバイ事件をまとめている面白いサイトがあるよ!」

と勧められて閲覧していたサイトに取り上げられていた事件でした。

最悪の冤罪生け贄裁判です。(人によって解釈は違うかもしれないけど)

調べる暇がなかったので情報の正確さは欠けますが、メアリ・イースティは最後まで無実を主張していたはずです。(たぶん)

 

……え?

 

「魔女裁判にかけられていた女が親戚にいるよ」

なんて情報、いらなくないですか?

なくてもいい情報じゃない?

 

「親戚の中に魔女にしたてあげられて亡くなった人がいる。人間まじ許せない私が本物の魔女になったるわ!

 

とか、漫画でよくある闇墜ち設定があるならまだしも、そういう描写は一切なかった。

 

シリーズモノだから、もしかしたら続編でそういう設定が出てくるのかもしれないけど、続編の予定を発表していない作品だったり、「1章2章」とか「前編後編」とか明記していない映画は1本で完結させておけよって思う。

基本的にホラー映画は、ツッコミどころがあっても、それはそれで面白おかしくゲラゲラ見ているのですが、「実際の事件を元に作られている(ノンフィクションではない。今回はあくまで「参考に作ったよレベル」だけど)」「実際の人物の名前を出している」からには、ある程度の配慮は必要だと思う。

昔の話だし、すでに亡くなられた人だし、大丈夫だとは思うけど……大丈夫なのかな?

ああ、でも、ディアトロフ峠事件を題材にした映画なんかは、普通に被害者の××××さんが実は××××だった!なんてことになっているし、いいんかな。

でもでも私は、近代の事件を題材としていて被害者も実名で使用する作品は「大丈夫なのかな?」って思っちゃいます。

(大丈夫なのかな?って思うだけで、別に嫌悪だとかはないです。どうせ私と関係ない人たちの話なので。近しい人だったら「××さんって悪いことしたんでしょ?」とか、誤った悪評が立つのは嫌だなぁ)

 

まぁ、今回の件に関しては「大丈夫なのかな?」にプラスで「その情報は何のために出したの?」という疑問もセットなので、ごちゃごちゃ言っておりますが。。。

本当に何故メアリ・イースティの情報を出したのかがです。

 

私は上記のとおり「ヤバイ一族なのかな」という印象を持ちましたが、他の方はどうなんでしょう?

 

あ、それと、私はセイラムの魔女裁判に関しては「裁判にかけられた大半は無罪だったんだろうな。可哀想に」という見解です。

あくまで個人の見解です。

 

 

真実がどうだったのかは……

 

 

 


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