魔王会という名のゼミ会

日記
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大学時代、私がお世話になっていたゼミの先生は、魔王と呼ばれている。

魔王のように恐ろしいお方だとか、そういうのではなく、全体的に黒っぽい恰好をしていたからだった……と思う。

何やかんやで先生のことが(変な意味ではなく)大好きだった私は「魔王様」と魔王様の事を呼び、ありがたいことにかなり可愛がってもらえた。

 

そんな魔王ゼミでは、年に何回か「魔王会」と呼ばれる会が開かれている。

ゼミのみんなで集まって、ゴハンやらカラオケやらに行くという、至極健全な会である。

中でも11月に行われる魔王会は、卒業生も参加させていただける特別な会だった。

 

卒業後3年間くらいは私も参加していたのだが、ここ数年の間はスケジュールが合わなかったり、「私のような年長者が現れては、現役生たちが気を使うのでは……?」と萎縮してしまったり、なんやかんやで参加していなかった。

それでも魔王様は毎年私にお声をかけてくださっていた。

そして今年も、魔王様は私にメールを送ってくださった。

 

ぴちぴちのJDとお話しできるなんて機会、滅多に無い。

その日テンションが異様に高かった私は、こんなメールを送ったよ。(原文ママ)

 

魔王様

ご無沙汰しております。
えりんこです。

何年も顔を出さずに逃亡を続けていたワタクシなんぞにお声をかけていただき、誠にありがとうございます。

魔王様とお会いしたいので、今年は是非とも参加させていただきたいです!

ただ、ひとつだけ心配なのが、卒業してから7年も経っている私が参戦して、現役の子たちにメチャクチャ気を使わせてしまわないかが心配です。

7年というと、某ゼルダの伝説のリンク氏もハイラルの魔王ガノンドロフと渡り合えるくらい成長している年齢です。
子供と大人です。
もっとも、私は学生時代からこれといって何も成長していないので、オーラ的な部分で若人を威圧することはないと思いますが……。

もし、参加される魔王ゼミッ子たちが、
「大丈夫だよー。えりんことか言う人もおいでよー」
「えりんこは口下手なんだって?平気平気!そんなヤツ未だにクラスにおるもん。ひたすらお肉を食べ続けていればいいんだよー」
と、寛大なお心で迎えてくださるのであれば、参加させてください。

万が一、私の参加表明に若者たちが微妙な空気を醸し出していたら、別日にお伺いできれば幸いです。

最後に……。
魔王様が任天堂ユーザーではなかった場合、ゼル伝ネタなんかを持ち出して、おおはしゃぎしてしまい大変失礼致しました。

お会いできる日を楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

こんな狂ったようなメールを送り、魔王様から、

「○○ちゃん(私の1つ下)も来るので大丈夫だと思います」

という質素なお返事をいただき、ここでようやく自分の異様なテンションの高さに気が付き、猛反省しました。

 

 

 

そして迎えた魔王会

 

てっきり下の世代も魔王様のことを「魔王様」と呼び慕っているのかと思いきや、普通に「先生」と呼んでいて、「魔王様」と呼ぶ私が頭のおかしいヤツみたいに思われていそうだったので、何回か魔王様のことを「先生」と呼んでいた自分がいました。

そんな魔王様から誕生日プレゼントをいただきました!

 

角です!

 

装備している杖は、魔王様の私物をお借りしました。

もっとカッコいいポーズを取れれば良かったのですが、大人しい白魔導士のような質素なポーズ止まりになってしまいました。

 

魔王様は言いました。

「えりんこもそろそろ人間をやめて魔族なってもらおうと思ってね」

どうやら私が普通の人間に擬態している××××ということは、まだバレていないみたいです。

それとも、承知の上で気を使っていただいたのでしょうか。

「あくまで魔族のフリをしている人間」をあえて装う――

人間社会に紛れ込む闇の眷族あるあるですわね。

フヒヒ、魔王様ったら、お優しいんだから。

 

 

 

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